色素沈着が少なく、シュワルベが同定しづらい場合も、スリット光を使えば、はっきりする。
さらに、角膜をやや圧迫すると、隅角と角膜の弾性の違いにより、段差が認められる場合がある。
右写真が、角膜圧迫下の隅角所見である。
多くの本で説明してある「角膜表面が内皮と交わるところ=シュワルベ線」というのは、誤解を招く表現である。角膜表面からの曲線を素直に追っていくと、色素帯の前端(シュワルベ側)に交わるようにみえる。解剖学的にも、シュレム管近くまで、角膜があるはずである。

不思議なのは、多くの本で正確な組織図があるのに、細隙光を利用した図になると、途端に角膜が短くなっていることだ。狭隅角眼の判定やPASの高さの判定には、シュワルベ線の同定は欠かせないものであり、正確な同定のためには、細隙光による同定法に習熟する必要があるのではないだろうか。